2015年04月10日 00:08
「 IT インフラで産業振興」(日本経済新聞 2015.04.07)
何より望むのは IT(情報技術)インフラの整備だ。浜名湖周辺でもまだ光ファイバーが通っていない地域がある。過疎状態だった徳島県神山町では光ファイバーが整備され、ITベンチャーなどが集まりつつある。通信速度の遅さは、ビジネスにとっての致命的だ。
浜松の中山間地域でも IT インフラが整えば、在宅で仕事ができる。
自然に囲まれた環境や家賃の安さなどは魅力的だ。域外から企業や人材を呼び込むことができるだろう。
市が本気で取り組むという姿勢を見せれば、大企業も協力する。実際、当社が長年提案しても動かなかった中心市街地での無料 Wi-Fi の整備も、市が助成金を出し、旗振り役となって動くことで企業が協力し、急速に話が進んだ。
事業活性化でも IT が果たす役割は大きい。自動車、二輪車から農業まで、あらゆる産業で IT との結びつきは一段と強まる。市は地元の IT 企業にもっと積極的に仕事を発注し、経験を積ませて育てる取り組みが必要だ。人材育成のためには若い世代への IT 教育の充実も欠かせない。
東京や大阪などにある大学の学生に、地元中小企業の情報を積極的に発信してほしい。地元企業の情報を知れば、地元に戻る学生ももっと増えるはず。今は就職情報誌などに高いお金を支払らわなければならず、中小にはなかなか難しい。
人口減は浜松でも起きているが、『日本でも有数の住みやすい街』ということを打ち出すべきだ。気候は温暖で雪も降らず、自然も豊か。街の標識などの多言語化を進めれば、住みたいと思う外国人も増えるだろう。