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2012年02月24日

でんかのヤマグチ。日本一高い電器屋が、日本一テレビを売る理由

でんかのヤマグチ。日本一高い電器屋が、日本一テレビを売る理由

先月の「幸せの銘酒 市川酒店」のお話も面白かったが、今月は昨年 6 回、一昨年は何と 11 回も TV で取り上げられている東京町田市にある驚きのビジネスモデルを展開している「でんかのヤマグチ」の山口社長のセミナーを「静新21世紀ビジネス塾」で受講してきた。

既にご存知の方も多いと思いますが、「でんかのヤマグチ」は日本一高い電器屋さんにも関わらず、お客さまから絶大な信頼を頂き、昨年のハイビジョンテレビの販売台数(15,108台 2011年3月現在)が、パナソニック系列の 1 店舗での販売台数は日本一なのだそうだ。

高いのに売れまくる。

その戦略を少し紹介したいと思う。

でんかのヤマグチ。日本一高い電器屋が、日本一テレビを売る理由

でんかのヤマグチは、パナソニックの地域店としてスタートしました。
現在正社員が40名、パートが8名。

年商13億1,300万円(2011年3月期)。

14年前に町田市に大手家電量販店が、6店舗進出してきたそうです。

売上は当時、16億円ほどだったそうですが、30%ほど落ち込むだろうと予測した。

売上では無く粗利益を当時の約25%を10%上げる事を考えた。
リストラしない為には、約4億円の粗利益が絶対に必要だった。


ヤマグチの販売ルートは、
35%が、店売り
65%が、ご用聞きによる訪問売り

お客さまの平均年齢は、64歳

家電のデジタル化が進んで取り扱いが難しくなっている=チャンス

その為にとった施策は、34,000件だったお客さまを、1/3の12,000件に絞り
こんだ。

値引き販売では無く、徹底的にお客さまの望む事を行う。
1ヶ月に1回の訪問回数を、3回に増やそう。

例)
・おばあちゃんが韓国ドラマを観ていたら、急にキムチを食べたくなったと言われたら、キムチを買いていってくる。
・2~3日留守にする家庭があれば、新聞の取り込み、庭の草木への水やりも行う等々
・家に泊まりこんでの留守番も、過去に3回あった。←凄い信頼関係

これらを裏サービスと呼んでいる。

営業は、毎日本日行う裏サービスを、紙に書いて提出する。
重要なのは、営業だけじゃなく、配送・修理・工事と全ての部門の全てのスタッフが必ずお客さまに裏サービスを行うこと。

でんかのヤマグチの当たり前にすること。


掛け販売を一切止めた。掛売りにメリットは無い。

何十年も掛け販売をやってきたので、止めると言うと社員からお客さまが減ってしまうと猛烈な抵抗があったが、一切止めた。


お店の商品の仕入原価を全スタッフに全てオープンにした。
多くのお店は(ヤマグチも以前は)、今でもフルオープンしていない。

仕入原価 ÷ 65%以上で必ず売る。つまり、粗利益35%を確保する。


【日次決算】をしている。 ← シーポイントで一日も早く実現したい事

月次決算では遅い。月次決算は過去の事。


毎日、個人別の粗利益ランキングの数値をグラフ化して誰でも見れるようにしている。
上位から5~6位までの社員には、家族があれば自宅に毎日FAXを送っている。

例)
子供が、最近おとうさん会社からFAXが来ないねと言われる・・・

単品別の粗利益を毎日作成している。

毎日、誰がどうしてどうなったかを全て【数値化】している。

全スタッフが、【粗利益】を数値化して行動している。

各スタッフの予算は、全て【粗利益】で行なっている。


31年以上前から、毎週土日欠かさずイベントを実施している。
・「男爵まつり」は、32年間
・「カツオ祭り」は、27年間

お客さまとの交流を大事にする。


結果、どうなったのか?


7年目、34.5%
8年目、35%を達成

平成23年3月現在、なんと 38.9%


山口社長は最後に、こんな事を言っていました。

大型量販店が進出して来なかったら、今のヤマグチは無かったかもしれないし、今でも売上をどうしようかと考えていたかもしれない。
量販店が進出した事で、”危機感”が高まり”知恵”を使って皆で一生懸命考えて努力した事で社内の改善に結びついた。


まとめとして、コーディネイターの方から。

1.数値目標を明確にする (生き残る為の数値目標=4億円の粗利益)
2.ビジネスモデルの確率 (日本一高いが顧客を減らして密着)
3.徹底した社員教育 (毎日毎日毎日、繰り返し伝える)
4.社長が絶対に、ブレない( 〃 )



もうじき新刊が出ますよ。

著書「よそより10万円高くてもお客さんが喜んで買う「町の電器屋さん」が大切にしていること



今回のセミナーで思った事。

日次決算と単品管理という徹底した数値化(可視化、グラフ化)。そして、毎日欠かさず徹底的に継続する。

妥協しないって事だね。イベントが 32 年間連続って凄い。

お客さまにトコトン尽くした事により、この結果と言われるが、その裏には徹底したデータ管理による緻密な戦略があったという事だ。


恐れいったセミナーだった。


でんかのヤマグチ
http://www.d-yamaguchi.co.jp/


実は、「静新21世紀ビジネス塾」には、2008年1月に僕自身も講演をしたことがあったりする。当時の様子はコチラへ

ブログ戦略紹介 浜松・静新21世紀ビジネス塾(静岡新聞 2008.01.08)


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この記事へのコメント
我が家は僕が高校卒業まで、このお店のある町田街道沿いで、車で15分くらいの所に住んでました。
わりと普通の近所のでんき屋さんな感じだったのですが、まさかそんな有名になっているとは思いませんでした。

サービスとは何かを考えさせられますね。こういったものが本当の『付加価値』のような気がします。
原価オープンはもの凄い英断。でも確かにモチベーション上がりますね。

しかしゼブラカー懐かしいなー(笑)
Posted by Jumpman at 2012年02月24日 09:21
>Jumpman さん
へぇーご自宅が近所だったのですね
でんかのヤマグチさんは、マスコミに多数露出しています。

東京に行った際に、一度立ち寄ってみたいと思っていました。
実店舗は恐らく通常のお店と変わらないのかもしれないですけど。

うちの会社は、以前から粗利益ベースで全て管理していて原価フルオープンです。
うちの会社規模の場合は、売上はあまり意味が無いと思っているので、売上を追いかける事は全く無いです。

たまたま、毎年売上高が増えていますが、減少したとしても問題と考えません。
同時に、全体における事業シェアを常に意識しているので、売上が減っても安定した粗利益を生み出す事業がシェアを伸ばす方が重要ですからね。
Posted by のののののの at 2012年02月24日 13:31
裏サービス、徹底した数値化! 凄いですね♪

ん〜勉強にありました
m(__)m♪
Posted by アッコママ(^_-)-☆ at 2012年03月19日 13:46
>アッコママ(^_-)-☆ さん
電化のヤマグチさんは、徹底していますね
地域密着の良い事例だと思います。
Posted by のののののの at 2012年03月19日 23:53
 
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